内視鏡は非常にデリケートな電子機器である上に、患者の消化器や呼吸器の内部に直接挿入するため、内視鏡看護師の管理責任は重大です。体内に入れるカメラや挿入管などを清潔に保たないと、患者の感染に繋がるおそれがあります。また、電子機器の扱いに慣れているだけでなく、患者とのコミュニケーションも円滑に行わなければなりません。特に患者の既往症等について詳しく聴き取りを行い、検査に必要な投薬が可能かどうか検討する必要があります。また、内視鏡検査と同時にCTスキャンなどの検査を受けるかどうかも重要なポイントです。患者の状態について的確に把握し、内視鏡検査が可能かどうか検討しなければなりません。内視鏡検査前に必要となる絶食などを、患者が自力で準備する部分についても確認を行います。内視鏡検査では、患者が苦痛を覚えたり不安を感じたりするので、内視鏡看護師によるインフォームドコンセントも重要です。内視鏡検査の内容を正確に伝え、リラックスさせる声かけを行わなければなりません。患者の心理的なサポートも内視鏡看護師の大切な役割なのです。
内視鏡看護師は、内視鏡検査のサポート役として日中の勤務だけを行うほか、基本的に予約制なので定時で退勤できることが多いです。仕事終わりに予定を入れやすいなど、メリットは大きいといえるでしょう。このような理由から、夜勤などの不規則勤務のある入院病棟の看護師が、外来の内視鏡看護師に転向することも少なくありません。また、内視鏡検査の専門資格である「消化器内視鏡技師」を取得できる道が開けます。内視鏡に関する専門職として、転職の際や給与面においても有利になるでしょう。